1: 名無しさん@おーぷん 2018/05/15(火)20:58:19 ID:Y0z
天正四四六年 皐月 十五日
まさに泥をかぶった形となろう。
遂に戸田の封を解き、邪教徒小川を先鋒においた北条軍との戦いは、小川が封印されていた怒りで暴れまわり、攻撃陣の奮闘もむなしく敗れ去った。
この体たらくに九州男児であった伴天連思想青木が激怒。荷物を纏め、さっさと帰路についてしまったのである。困ったのは一行。彼の力は必要不可欠だ。
彼の故郷、日向。怒る青木を何とか宥め、再び仲間として迎え入れたその瞬間、和尚の耳に急報響く。
『薩摩より徳川軍来たる。先鋒は横綱山口』
余りにも慌ただしい報せだった。急ぎ和尚は将小川に進言。この争いを逃がすわけには行かぬ。
かくして一行は急ぎ薩摩に集結。徳川兎軍との戦闘を開始したのである。
一行先鋒は伴天連破風。類稀なる命中力を誇る銃士である。未だ手柄がない男に、押し寄せた薩摩男子が「つばめ一揆」の幟を掲げ鼓舞する。徳川の名が知れ渡る薩摩、一行にとってその幟は何よりも誇らしかった。
破風には日の本の言の葉がわからない。だがなぜか、その文字に込められている想いはわかる。男は静かに闘志を燃やす。
第一戦線を一瞬で片付けると、続く第二戦線は徳川軍に肉薄されるも、小僧古賀と息の合った掛け合いにて下がらせる。その直後、破風の奮闘に心を打たれた優しき剛力羅が道を切り開くと、十八番山田が一撃を放つ。
破風に今日こそ勝利の美酒を。一行は音頭を取り、燕陣を組んだ。
然し第四戦線、徳川の秘蔵っ子岡本の急襲! 破風が爆風に巻き込まれ、手傷を負う。然しその程度の傷はなんのその。そのまま第七戦線まで突っ走るも、一行も横綱山口に決定打を与えられない。
膠着状態――。焦りが将小川を蝕む。樹海のお友達高井は然し気にせず進軍、三つ目の手柄を上げ雄叫びを上げた。
十八番山田が刀を折られながらも血路を開くと、民衆は甲賀の忍を称える雅楽を演奏。しかし小僧西浦は民衆に答えられず。横綱に手傷を負わされ、膝をついてしまう。
第八戦線。伴天連破風は小僧古賀との巧みな連携にて孤軍奮闘を続ける。放った弾は既に百を超え、銃身も熱を帯びてくる始末だ。だが破風は諦めない。徳川軍を尽く撃ち抜き、味方の援護を待ち続ける。
応えたのは伴天連思想青木! 怒れる九州男児だが、伴天連の奮闘に心を打たれた。均衡を破るその一発は、遂に横綱山口に致命的な一撃を与える。然し一行は喜ばない。裏切り者が、何を。
――否! それは照れ隠しである。一瞬の後に青木の周りに一行が集う。伴天連方式の祝の儀、『静寂待遇』だった。
一行の歓びに応えねばならぬ。和尚はその腰を上げた。
石山本願寺、勝利目前だ。残るはたった、首三つ。
まさに泥をかぶった形となろう。
遂に戸田の封を解き、邪教徒小川を先鋒においた北条軍との戦いは、小川が封印されていた怒りで暴れまわり、攻撃陣の奮闘もむなしく敗れ去った。
この体たらくに九州男児であった伴天連思想青木が激怒。荷物を纏め、さっさと帰路についてしまったのである。困ったのは一行。彼の力は必要不可欠だ。
彼の故郷、日向。怒る青木を何とか宥め、再び仲間として迎え入れたその瞬間、和尚の耳に急報響く。
『薩摩より徳川軍来たる。先鋒は横綱山口』
余りにも慌ただしい報せだった。急ぎ和尚は将小川に進言。この争いを逃がすわけには行かぬ。
かくして一行は急ぎ薩摩に集結。徳川兎軍との戦闘を開始したのである。
一行先鋒は伴天連破風。類稀なる命中力を誇る銃士である。未だ手柄がない男に、押し寄せた薩摩男子が「つばめ一揆」の幟を掲げ鼓舞する。徳川の名が知れ渡る薩摩、一行にとってその幟は何よりも誇らしかった。
破風には日の本の言の葉がわからない。だがなぜか、その文字に込められている想いはわかる。男は静かに闘志を燃やす。
第一戦線を一瞬で片付けると、続く第二戦線は徳川軍に肉薄されるも、小僧古賀と息の合った掛け合いにて下がらせる。その直後、破風の奮闘に心を打たれた優しき剛力羅が道を切り開くと、十八番山田が一撃を放つ。
破風に今日こそ勝利の美酒を。一行は音頭を取り、燕陣を組んだ。
然し第四戦線、徳川の秘蔵っ子岡本の急襲! 破風が爆風に巻き込まれ、手傷を負う。然しその程度の傷はなんのその。そのまま第七戦線まで突っ走るも、一行も横綱山口に決定打を与えられない。
膠着状態――。焦りが将小川を蝕む。樹海のお友達高井は然し気にせず進軍、三つ目の手柄を上げ雄叫びを上げた。
十八番山田が刀を折られながらも血路を開くと、民衆は甲賀の忍を称える雅楽を演奏。しかし小僧西浦は民衆に答えられず。横綱に手傷を負わされ、膝をついてしまう。
第八戦線。伴天連破風は小僧古賀との巧みな連携にて孤軍奮闘を続ける。放った弾は既に百を超え、銃身も熱を帯びてくる始末だ。だが破風は諦めない。徳川軍を尽く撃ち抜き、味方の援護を待ち続ける。
応えたのは伴天連思想青木! 怒れる九州男児だが、伴天連の奮闘に心を打たれた。均衡を破るその一発は、遂に横綱山口に致命的な一撃を与える。然し一行は喜ばない。裏切り者が、何を。
――否! それは照れ隠しである。一瞬の後に青木の周りに一行が集う。伴天連方式の祝の儀、『静寂待遇』だった。
一行の歓びに応えねばならぬ。和尚はその腰を上げた。
石山本願寺、勝利目前だ。残るはたった、首三つ。
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